筋膜とは

筋膜は英語でfasciaといいますが、

 fasciaは筋肉を包む膜のことだけでなく

 神経や内臓など身体を包むすべての膜のことをさします。

 

 

筋膜が重要なのは、 身体を包む膜というだけでなく、身体のラインを形作ったり筋肉が生み出した力を骨格に伝えたり、身体を外部の衝撃から守ったり、身体のセンサー、ネットワークなど重要な役割をしています。

筋膜は全身つながっており、ウエットスーツのように身体を覆っています。

 

 筋膜は全身をひとつなぎにつないでいます。

 

人間の始まりは小さな卵です。

人はひとつの受精卵から細胞分裂を繰り返し身体をつくっています。

 ロボットのようにパーツを集めてつなげて作られているわけではありません。

 

細胞の周囲には膜がありますので、分裂するごとに膜どうしが隣あっています。

細胞という小さな単位でも膜によっておおわれていますし、筋肉や神経、脳、内臓などすべての組織は膜によって覆われています。

 

筋膜は全身をに張り巡らされていて、

骨と同じように身体を支持し、身体を形づくっているものです。

 

仮に筋膜以外の組織を身体からすべて抜いたとしても、身体の形ははっきりわかるくらい筋膜は全身に張り巡らされています。

 

 

そして大事なことが筋膜の情報ネットワークです。

筋膜に加わる刺激は筋膜同士もしくは筋膜から他の筋肉、血管、神経、内臓などへ神経、体液、繊維を通じて伝わっていきます。

 

骨格の歪みと同じかそれ以上に筋膜の歪みが身体全体に与える影響は大きいです。

筋膜が歪んでいると、それに影響を受けて骨格も歪んでいきます。

骨格のアライメントを整えても筋膜の歪みがとれていないとすぐに骨格も歪んできます。

 

 

筋膜リリースの方法

身体をスムーズに動かすには

ヒアルロン酸など膜どうしの間にある潤滑液を正常な状態にして、膜のすべりをよくしてあげることです。

 

あとは、細胞外基質のゲル化を解消して筋膜の伸縮性を取り戻すことや、筋肉、筋膜の交感神経興奮状態などによる異常な筋収縮を抑え、神経が正常に働く状態(きちんと筋肉、筋膜が緩む)をつくってあげることです。

 

これらを達成するのためには「神経筋の調整」「組織への水分補給」「温度を高める」「動き」などの要素をコントロールする必要があります。

 

 

 

筋膜をリリースする具体的な方法に以下のような方法があります。

「筋膜ストレッチ」

「手技により筋膜に圧をかけたり、振動させたり、こすったりなどの刺激を加える」

「専用器具によるリリース(IASTMなど)」

「フォームローラーやボールによるセルフリリース」

「鍼治療」

「注射で生理食塩水の注入(ハイドロリリース)」

「筋膜リリースガン」

などいろいろあります。

 

 

筋膜リリースとひとくくりにされますが、

アプローチする方法、場所や作用やが少しずつ違います。

 

ルシアではその人の身体の状態やライフスタイルに合わせて、上記の中から必要と思うものを組み合わせてお勧めしています。

 

なぜ筋膜は悪くなるのか

本来、筋膜は弾力性があり、伸縮性のある組織ですが、

 例えば猫背で長い時間座っていたりすると、背中の筋肉は引き伸ばされながら緊張し、固まり、胸や首の前の筋膜は短く縮んだ状態になって固まり、その形で形状記憶されてしまいます。

 

カラダの使い方のいろんな癖で、

もも裏、腰、目、顎などカラダの様々な部位にそういった状態が起こります。

 

あとは目の使い過ぎや内臓の疲れ、ストレス、運動不足などでも筋膜の機能が低下していきます。

 

このような状態で筋膜が高密度化してくると血流やリンパの流れが悪くなるだけでなく、組織に癒着が起きたり、筋膜間のすべりが悪くなってしまいます。

 

筋膜が悪くなると痛み、痺れ、凝り以外にも

むくみ、柔軟性の低下、内臓の機能低下、免疫力低下、疲労、睡眠障害、自律神経の乱れなど様々な症状が引き起こされます。

 

 

筋膜は強化できる

筋膜は強い組織なので手の力くらいでは構造は変化しませんが、

筋膜の構造を変える方法はあります。

 

筋膜の性質には、粘性、弾性、塑性、リモデリングがあり、それらの性質に対して圧や伸長ストレス、弾性ストレスなどを繰り返し長期にわたって加え続けることによって徐々に組織を変えていくことができます。

本来、筋膜は水分豊富でみずみずしく、とても柔軟性があり、生きている筋膜同士は滑らかに滑ります。

トレーニングや運動によって筋膜に刺激を加え続けると

構造自体が変わっていくと考えられます。

 

 

 

文字にするとわかりにくいですが、実際に筋膜を鍛えるための方法はそんな難しいものではないので、ルシアでは筋膜トレーニングの指導や筋膜ストレッチも必要な人には行っています。

一人で行うストレッチと違い、施術者にしてもらうストレッチは普段では伸ばせない部位も伸ばすことができます。血管が広がり、血流がぐっとよくなるのを感じます。伸ばした時の気持ちよさも自分で行うのと全然違います。

 

関節の動きもスムーズになり、本来もっている力が最大限発揮できるようになっていきます。